天から奇跡の “靴の空き箱” のプレゼント

動物と命の関わりをしていると、時折奇跡を体験することがあります。今日は、私が神様にお願い事をしたら5分後に叶えてくれた話をご紹介したいと思います。

あれは夏の暑い日の朝、その頃横浜に住んでいた私は、みなとみらいに用事があって自転車で出掛けました。信号待ちをしていると、何かの式典で駅の方からパシフィコ横浜へと向かう親子連れがぞろぞろと横断歩道を渡っている際に、私はある「異変」に気がつきました。

横断中に何人かの子どもが急に声を上げて逃げるような素振りをして、けれども親の方は信号が変わらないうちにと子供の手を引いてさっさと渡っているようでした。観察していた私は、どうやら中央分離帯の芝生の上に何かがあるらしい…と、信号が変わるのを待ちました。

自転車を押して近づいてみると…なんとそこには生後2ヶ月程の子猫の死体が…!ありえない場所なので、誰かが車窓から遺棄したのではないかと推測しました。子猫はすでに虫たちに蝕まれていて、このままでは夏の陽気でさらにかわいそうなことになるのは容易に想像がつきました。

しかし、レスキューしようにも、その日に限ってかなりの軽装で出てきてしまい、子猫をくるんであげられるような服もカバンも何一つなく、その場では何もできないので、私は自転車を走らせながら考えました。

“小さなかわいい子猫の悲しい亡骸、子どもの悲鳴…このままにしていいわけがないよな……役所に電話しても引き取りは月曜になるかもな……朝の天気予報では今夜から明日にかけて雨降りの予報だったな……やはり今日引き取らないとだめだな……”

“でも困ったな、何も入れる物がない……自転車のカゴに直接入れるのもなんだかな…下手したら隙間から落ちるかも?”

そうして私は段々と、自然に神に祈るような心持ちに

「神様。私でよければ帰り道にあの子を回収させてください。けれども、今日はあいにくあの子を包んであげられるような布もカバンも何もないのです」

実際は手を組んで拝むというよりも「お手上げ」のポーズで天を仰いでいました。

すると、どうでしょう!5分後に到着した自転車置き場の入り口の花壇に、子猫がちょうど入りそうな靴の空き箱が置かれてあったのです!見た瞬間に「ジャストサイズ!!」と声を上げそうになりました。

でも、本当に拾っていいものかわかりませんよね。慎重派の私はすぐには手を出しませんでした。けれども絶対にこれは神様からのプレゼントだという確信はありました。だって普通、花壇に靴の空き箱はないでしょう?なので、もう一度神様に祈りました。

「神様、もしもこの靴箱を、本当に私が頂いて構わないようでしたら、用事から戻ってきた時に、このまま、ここにありますように」

2時間後、その靴箱はありました。

私は有り難く頂戴して、子猫のいる場所に戻りました。

フタがあって本当に有り難かったです。入れる際、フタと箱とで挟みながらスッポリと簡単に入れることができました。死後硬直していたので完全には入りきらないかな?と思いましたが、見事にピッタリ入りました。

これはもう本当に、天の采配、神の導き。

子どもの頃からよく捨て猫を拾って飼ってはいましたが、これまでに白黒の柄は飼ったことがなかったので、生きていたら飼いたかったなぁと思いながら、“いつか生まれ変わったら会いにきてね”と声をかけて荼毘に付しました。

それから数年後に「猫の里親会」で似たような柄の子猫と出会い、里親になりました。名前は「ソラ」と名付けました。とても甘えん坊で、毎晩私の枕元で寝ており、犬とも仲良くできるフレンドリーな性格で、保護犬活動を始めた私には申し分のない猫ちゃんでした。

現在ソラは15歳のおじいさん。寝ている姿を見ていると、時々その時の子猫のことを思い出します。

後にリーディングするようになって、ガイドに聞いてみたらあれは天使が運んでくれたことがわかりました。ああいう純粋な祈りは天に通じるのだなぁと、奇跡的な体験をしてそのカラクリが少しだけわかったような気がしました。

それから私は少しずつ、天使とのお付き合いが始まるようになります。そのお話はまたそのうちポロポロと出てくると思います。

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